現在、私たちを取り巻く社会には、ハイブリッド車や電気自動車(EV)など新しい技術の自動車が続々と登場しています。
自動車業界は、近い将来の完全自動運転の自動車の実現化を目指し、日々技術開発を行っています。2020年秋には、自動運行装置を搭載した自動運転車「レベル3」が認定を受け、公道での走行が認められました。
※「レベル3」:高速道路における運転者の運転操作の負荷を軽減することを目的に、運転者に代わって、前走車をはじめ周辺の交通状況を監視するとともに運転操作を行い、車線内の走行を維持しながら前走車を追従する自動運行装置
まさに100年に一度の「自動車の変革期」が訪れています。
また、カーリースやカーシェア等、自動車を取り巻く環境も大きく変化しています。
IT・コンピュータを導入した自動車が増え、販売システムも大きく変わる中で、自動車整備士に求められる役割はますます重要になります。
ここでは自動車整備士の将来性を考えてみましょう。
メルセデス・ベンツの創始者のカール・ベンツやゴットリープ・ダイムラーが、1886年に開発したガソリンエンジンの自動車から、現在の市販されている、ハイブリッド車や電気自動車(EV) 、燃料電池車まで、自動車は時代の流れに伴う需要や技術の進歩により大きく変化してきました。
では、自動車の性能や技術の進歩に伴い、自動車整備士の仕事はなくなってしまったのでしょうか?
答えはNOです。
自動車技術の進歩に伴い、自動車整備士は、自動車業界が求める技術や知識を身につけ変化してきたのです。
今後も、新しい時代に即した自動車整備の技術を身につけることで、自動車整備士はますます重要な存在となります。
現在、ほぼ自動運転化されている飛行機は、フライト前後にはたくさんの整備士による点検整備が行われています。人命を機械に委ねるためには、その機械が完全な状態を維持しなければなりません。
自動車も同様です、運転が自動化されることで、プロの整備士による点検整備を行い、自動車を完全な状態に保たなければならないのです。
自動運転化が進めば進むほど、自動車整備士の役割はますます重要になります。
どんなに世の中が変化しても移動や物流の手段として、自動車が担う役割は変わりません。
また、自動車関連産業で働く人は日本全体の約1割、自動車製造品の出荷額は全製造業の2割近くを占め、自動車は雇用・経済の両面で日本を支える基幹産業です。
今後、自家用車の所有形態が変化し、カーリースやカーシェアが増えたとしても、それらに使われる自動車にも点検整備は必要です。
移動手段としてのバスやタクシーも自動車です。
物流の9割を占めるのは、トラックでの運搬です。
そういう視点で見ると世の中から、自動車が無くなることは絶対にありません。
自動車が存在する限り、自動車整備士は絶対に必要な存在です。
自動車整備士は、国家資格です。
国家資格とは、日本国が法律に基づいて、各種分野における個人の能力、知識を判定し、特定の職業に従事することを証明したものです。
自動車整備士の資格は、有効期限はなく、更新がありません。
資格取得後は、永久的に持ち続けることができますし、仕事を続けていく中でステップアップを図ることが出来るなど、一生活躍することができる資格です。
自動車関連産業で働く人は日本全体の約1割、自動車製造品の出荷額は全製造業の2割近くを占め、自動車は雇用・経済の両面で日本を支える基幹産業です。
そして、その自動車がどれほど進化しても、自動車の「点検・整備」は必要であり、その中心的存在が自動車整備士です。
そのため、自動車整備士は、今も、これからも、必要な存在です。
時代の変化に合わせて、求められる技術や知識は変わってきますが、自動車が存在し続ける限り自動車整備士は、より重要で、より必要とされる存在なのです。